週末は房総に行ってきました。GSセントラルのメンバーで国際ラリー経験者のY原氏発案のGPSを使った新しいラリーに参加してきたのですが、先に書いたよう僕自身も色々あったりで、大変楽しくもちょびっと苦い思い出に残るラリーとなりました。
GPSを使ったラリーとはコマ図方式のように決められた交差点を曲がったり、道を通ったりというものではなく、制作者によって設定されたウェイポイント(登録地点)を順に通るというもの。そのために走行するルートは自由で、走行中はGPSのルートナビゲーション機能を使用し、現在地から次点ポイントまでの距離と方角を頼りに決められたポイントを通過していくというもの。なので人によっては道無きところを突き進み突如、藪から姿を現す方が今回いたとかいないとか。
イベント当日は天気が悪く雨が予想されていたのですが、時々雨が降ったもののほとんどカッパを着ることもなく、8月とは思えない気温で走るには丁度良かったです。
当初のアナウンスでは地域柄ダートが少なく、ルートには難所はないというととで、爽やか林道ツーリングを想像していたのだが、朝のブリーフィングでY原氏がしきりにどこどこのポイントのダートは最近の雨の影響でチュルチュルで滑るとか、白い石は滑るとか注意を並べる。そんな注意は軽く聞き流している僕はその次点ではまだ、爽やかツーリングをイメージしていた。
一分間隔のスタートで僕は3番目、スタートして直ぐに早速トラップがあった、GPSが指す方角に分岐を曲がるとそこは民家で早速ミスコース、向こうに見える分岐でも先にスタートした2台が迷っているようだ。この方式の特性上に起こるミスコースで、このルートを見つける感覚がなかなか楽しい。エントラントの方の中には全ての分岐の先のお宅にお邪魔する、いわばローラー作戦走行をしていた方もいたのは、ゴール後のGPSデータ回収で確認できてしまう。(笑)
このトラップに直ぐに気づき次のポイントに向かうルートを見つけ、しばらくは国道や県道を通るルート設定だった。最初のうちはGPSナビゲーションに慣れるよう、細かくポイントが置かれていて、少し走ればアハ~ンと慣れてきた。コマ図と一緒で何処へ向かっているのか分からないワクワクさとナビゲーションはそれと同様に面白い。
順調にルートを消化していくと、向かっているポイントにあと300mくらいまで近づくが、そのポイントに向かう道が見つからない。いま辿ってきた道を進むもポイントを中心に反対にでているようだった、どうやらこの山の中にポイントがあるようだ、がどこから入っていけば良いのだろうか?とりあえず引き返すと竹藪の中に軽四では無理っぽい道があるが、轍も見あたらないのでもう少し引き返して見るが、ポイントに向かえそうな道が無い。仕方ないのでさっきの竹藪に突入する。栄養たっぷり腐葉土なチュルチュル路面は、爽やかツーリングをイメージしてはめかえたFタイヤのMT21のブロックをあっという間に埋めてしまった、
誰だよ~爽やかなんていってたの?
最近はグリップの良いタイヤを使っていたから、MT21のルーズな路面に対するグリップの悪さを再認識する。残念なことにGPSの表示はポイントに近づいているようなので、転ばないように慎重に奥へ進み入った。幾つか分岐があったがほぼGPSが指す方角に進むことでポイントに近づいているようだ。相変わらずユルユル路面が続き少し慣れきた感じでペースを上げたとき、目の前にはV字に掘れた下り坂!アッと思った時には遅く瞬殺でフロントを取られて転倒、右の斜面にナビ周りをヒットし、落ちていた切り株に首をぶつけた。痛かったが、切れたり折れたりしたわけでもなくマシンも大丈夫そうだったので、先に進む。
何とかダートを抜けるとそこは何処かの牧場だった。なんか感じの良い風景に先ほどのことは忘れて再び爽やかツーリングをイメージする。がしかし少し走って現れた2本目のダートの路面を見てそのイメージは直ぐに崩れる、今度は粘度質のルートだ!これまた手強そうだ。房総の林道ってこんなのばかりなの?先が思いやられる。さっきのよりもさらにグリップしないルートを慎重に進むとルートは下り始めた。先が明るくなってきてダートアウトが近い?と思ったとき現れたのが、下りの勾配がきついV字ターンだった、舗装路でもきつそうな鋭角ターン、どうやってターンしようかと止まるも、止まっていることが難しいくらいに坂が急で路面はチュルチュルだ。フロントを谷側に落としハンドルを左右に小刻みに動かして車体の向きを変えて何とか転倒せずにクリアすることができ、予想どおりすぐに舗装路にでた。
畑から出てきたトラクターのように、タイヤのブロックに詰まっていた土がフェンダー裏に盛大に叩きつける音を聞き、僕の解釈が間違っていたことに気がついた。難所は無いというアナウンスは通らないという意味ではなく、下り坂なら難所じゃないという意味か?それにしてももっとまともな林道はないのかな~、この調子じゃ秘境巡りラリーだよ、なんて考えながら次なる秘境を目指しアクセルをひねった。